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十二人の怒れる男 十二人の怒れる男
ヘンリー・フォンダ (2006/11/24)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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アナタは自分の考えに疑問を持てるだろうか?

暑い夏の日。ニューヨークのある法廷で事件の審理が終わり、陪審員12名が陪審室に引き上げてきた。事件の内容は、スラム街の少年が父親殺しの第一級殺人罪に問われたもの。陪審員に選ばれた12人の男たちが審理で見たのは検事側有利の一方的な展開と日頃から不良と言われた被告の少年の生い立ち。
夏の暑さにもウンザリしていた陪審員たちの陪審室での採決は有罪支持で一発合意かと思われたが、
ただ一人の第8番の陪審員(ヘンリー・フォンダ)が不確かな証拠と検事による立件の矛盾点を指摘して有罪の確信が持てないと主張。彼らは証拠の再検討を始めるのだが・・・・

シドニー・ルメット監督の驚異のデビュー作。
少し映される法廷と洗面所を除けば、物語が進行するのは狭い部屋に長机のある陪審員室のみ。密室劇なのである。
本編は95分。人が映画を観て集中力を保っていられるのはせいぜい30分。なのに密室で95分である。だが観てみると物語にひきこまれてついつい観れてしまう。狭い部屋の中、男が12人。こうやって書くとなぁーんの魅力もない。
20051215204828.jpgどこが面白いのかというと、始めは有罪に決まってんだろぉ!と帰りたがっていた有罪派の面々。しかし第8番は冷静に審理を振り返りながら疑問と可能性をみんなに突きつけていく。有罪派の人々もオオッ?!なんか変だな??となる展開は二重丸あげたいくらいに秀逸。法廷シーンが割愛された分、仕組まれた陰謀を解いていくわけでもなく、推理モノでもないヒューマンドラマの趣が強い。それがこの作品の魅力。

証言者たちの矛盾にも注目。決して悪意をもって言ったワケじゃない。孤独な老人の寂しさや40過ぎの女の持つ哀しさ。野球見たさに帰りたい陪審員。ルメットが目を向けているのは私たち誰もが持ち合わせている市井の人々のエゴと他人に対する不誠実さ。そして何より意見を衝突させながらも真実を探求しようとする人間の本質である。
これを観終わってまず考えたのがこれは陪審員制度の問題だけではなく人間と人間の関係性の希薄さなんだと。もしも、始めのまま有罪になって野球を見に行っていたら・・・・野球の試合ごときで命を奪われる少年。それを知ることもなくまた普通の市民への生活へと戻っていく陪審員たち。そしてその陪審員は間違いなく自分だということ。ゾッとするね。

デビュー作にしてベルリン国際映画祭金熊賞。原作はテレビドラマらしい。なんと主演の大御所 ヘンリー・フォンダ が、当時テレビの演出家として辣腕をふるっていた ルメット に熱望してプロデューサーまでこなして作ってらしい。制作費はなんと30万ドルしかなかったという。それが逆効果で傑作の密室劇に。う~む。

いやぁ~。
ホントに。
映画っていいですねぇ。
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にほんブログ村 映画ブログへ 12.16 (Fri) 02:39 [ 社会派 ] CM3. TB2. TOP▲
  
コメント
こちらこそよろしくです
<チョロQさん
そっちのほう見てないんですよねぇ~
超みたいですな。
<kikyosanさん
色々な漫画の紹介期待しております。
見たことないんですが「墨攻」(うる覚え)とか言うのは面白いのでしょうか??
---------- リトル・ゼ [ 編集] URL . 12/20, 19:25 -----

密室劇の傑作ですね。この狭い空間だけでこれだけの作品を撮れるんだと感心した覚えがあります。私もリンク貼らせていただきます。よろしくお願いしますね。
---------- kikyosan [ 編集] URL . 12/20, 00:37 -----

僕の方もリンクさせて頂きます。
何年か前にNHKでウィリアム・フリードキンが監督したTV版の『12人の…』が放送してました。そっちの方もなかなか良かったです。
---------- チョロQ [ 編集] URL . 12/18, 18:10 -----
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「十二人の怒れる男」
大学の講義ではじめて観たが、その時の衝撃は今でも忘れられない。この作品に限らず印象に残る作品を幾つも観せて頂いたのに、講義名すら忘れてしまった・・・。非常勤の電通OBの方でしたが深く感謝。---「十二人の怒れる男」出演 :ヘンリー・フォンダ, リー・J・コッブ,
12人の怒れる男。
疑いの余地があるから、無罪。三谷幸喜監督作品「12人の優しい日本人」の元ネタである、「12人の怒れる男」をやっとこさ観ました。アメリカ陪審制を舞台に、人を裁くことの難しさを説く、とてもよく出来た作品です。(←どっちかて言うと、「12人の優しい日本人」
     
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