上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ミッシング ミッシング
ジャック・レモン (2005/11/25)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
この商品の詳細を見る

踏み潰されたアジャンデ政権
アメリカのエゴは国をも塗り替える


1970年、チリにおいて民主的な選挙によって史上初めて誕生したアジェンデ大統領率いる社会主義政権の実験は、世界各国の知識人から注目される中、1973年にピノチェト率いる軍部クーデターにより崩壊し、大統領アジェンデは大統領府で自殺を遂げる。
このクーデターの背後には国際的コングロマリットであるITT社と米CIAの介在が後々取りざたされることになりますが、世界から集まった多くのアジェンデ協力者が失踪し、そして多くの一般市民が無実の罪で虐殺された。その後長く続くピノチェト独裁体制に対して世界の批判が集中することになる。
アメリカのかざす反社会主義の精神は結局は南米チリでの悲劇を生んだのだ。
このクーデターの顛末中、実際に失踪した米国人青年と、訃報を聞いて米国から渡ってきた保守派の親父と青年の妻の捜索過程をドキュメンタリータッチで描いています。


「Z」で軍事政権による横暴を激しく糾弾したコスタ・ガブラス監督(本作は共同脚本も担当)が初めて米国資本により撮りましたが、1982年のカンヌ映画祭で作品大賞と主演男優賞(ジャック・レモン)を受賞したのに対して、同年のアカデミー賞では作品賞、主演男優賞、主演女優賞でノミネート止まり。脚色賞(コンスタンタン・コスタ=ガヴラス、ドナルド・スチュワート)が受賞。やはりアメリカもここまでかとガッカリします。まぁけっして褒められた過去ではないのですから。

見どころはやっぱりジャック・レモンの演技でしょう。保守派親父とヒッピ-息子の確執。訃報を聞いて駆けつけた当初、保守派バリバリだった親父も、息子の生活していた痕跡、そこでのヒッピースタイルの楽しげな生活の一端、息子の理想と夢、それが踏みにじられたこと、軍事政権が破壊したチリ、息子がつかんでいた真実を直視して、次第に変わっていく様は名演と呼ぶにふさわしい。「キャリー」の印象が強いシシー・スペイセクも粘り強く捜索を続ける妻を熱演してます。
そしてエキストラの動員数がハンパない。死体、死体、死体・・・・これでもかと見せ付けられてまだ「アメリカ!自由の国最高!」と言える人はいないでしょう。「プライベート・ライアン」のような過激な描写はあまりないですが、死体がたくさんある。それだけで惨い。

本作は『映画は歴史と向き合えるか』というテーマに挑んだといえる。
アメリカ資本ながらこの内容を取り上げたガヴラス監督に拍手。
相当圧力もあったことでしょう。
「Z」とは違いドキュメンタリータッチで事実と真正面から向き合った本作。
静かな怒りと言うべきか。
社会派映画の鏡と言えるでしょう。

ラストで全てを知ったジャック・レモン演じる父親は言います。
「我々の国の正義を甘くみるな」
上映当時はかなりメジャーな映画だったはず。
この教訓は今、どれだけ生きているんのだろうか。
スポンサーサイト
にほんブログ村 映画ブログへ 12.09 (Fri) 06:33 [ 陰謀 ] CM3. TB1. TOP▲
  
コメント

お二人ともご訪問ありがとうございます。
これからもバシバシ更新してきますのでよろしくです。
がんばって免許も取っちゃいますよ(笑)
なんか面白い映画などあったら教えてくださいねぇ~
---------- リトル・ゼ [ 編集] URL . 12/10, 15:04 -----

初めまして!
私のブログにコメントいただきましてありがとうございます。

結構懐かしい映画とか取り上げてあって
ちょっとうれしくなっちゃいました。
セルピコとか懐かしー!

ブライアン・で・パルマ私も結構好きです。
ベタですけどアンタッチャブルとか。
階段のシーンは何度見ても見入っちゃいます。
デパルマの映画はクライマックスが印象的なものが多いですよね。
ミッドナイトクロスは美しかったし、
スカーフェイスは激しかった。
またドーンと話題にんるような作品を作って欲しいです。

---------- クマ太郎 [ 編集] URL . 12/09, 22:31 -----

へぇ~。
リトルさん、面白い!
こういう記事、好きですよ。

お忙しいこととは思いますが、
お互い師走をがんばって乗り切りましょう!

早く免許とれるといいですね♪
---------- Vesta [ 編集] URL . 12/09, 16:46 -----
コメントする









       
トラックバック
トラックバックURL
→http://movieholic.blog33.fc2.com/tb.php/48-842ce3ed
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


「サンチャゴに雨が降る」/ピノチェト元大統領に逮捕命令
                    ★1973年9月11日 モネーダ宮殿チリ判事がピノチェト元大統領に逮捕命令 (時事通信) - goo ニュースピノチェト元大統領を起訴 左翼活動家の殺害関与で (朝日新聞) - goo ニュース1973年9月11日、その日は、ピノチェト将軍率いる
     
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。