卒業見込みがでたものの、
卒業制作やり直しがなかなか完成せずにほとんど一人でもがいていて、やっと、
「まぁいいかな」
「ナントカなるさ」
という具合に仕上がった。
期限なんかとっくに過ぎた3月の後半に。
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その仕上げ作業の間に、いや大学4年間で得たものは、
「自分はダメなドジ野郎だ」
というネガティブな確信だった。
この業界、百鬼夜行の世界なのでそんなコトで落ち込んでいてはダメだとは知っているんだけど、自分のふがいなさに向き合うと前のように図太くは立ち回れない。
でも、まぁいいか。
それに気付いただけラッキーなんだろう。
気付かないし反省しない終わっている人を知っているのでそう思える。
そして、久しぶりに昼間にアパートのある駅に降り立った。
何しろもう3週間くらい、
(日曜日)バイト
(平日)朝から晩まで作業
の繰り返しだった。
徒歩でちょっと離れた自転車置き場まで歩く。
途中の高台の見渡す景色は晴れの日に見ると心地いい。
「平成狸合戦ぽんぽこ」
「耳をすませば」
を思い出す。
山の急斜面にまで家がビッシリとあって、
「みんな今日を生きてるなぁ」
おセンチな気分にひたれる。
自転車置き場から自転車を出すと、坂道を自転車で押していく。
もう四年間もこうして坂を上がってきた。
朝下りて夜上る。朝下りて夜上る。朝下りて夜上る・・・・
「早いものだなぁ4年なんて」となにか清々しい気分にひたっていると、交差点に差し掛かった。
その交差点の歩道に彼はいた。
よく歩道にある円柱の物体。
あれに登ってその上で「飛んで飛んでェ〜♪」みたいに手をヒラヒラさせた子供がいたのだ。
推定年齢5〜10歳。
飛ばない鳥人間。
「ウキョキャキョキョ!!」
と興奮のあまり奇声を発している。
まるで友達とウンコを見つけた時のごとく満面の笑み。
「天才交通整理少年か?!新手の物乞いか?!」
と咄嗟にフトコロのマグナムに手をかける俺。
視線の先をたどると、一軒家の窓だった。
おそらく母親だと思われる女の人が、あきれたような顔で見ていた。
交差点をはさんだ謎の家庭内暴力。
いや、早すぎる反抗期か?!
アフォな父親譲りのそういうプレイか?!
子供は笑顔のままヒラヒラを止めない。
「フッ。早く成長して立派なシャブ中になれよ。」
安心したオレは自転車をこぎ始めた・・・・
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