聞いたら死ぬ!
「自殺の聖歌」誕生秘話第二次世界大戦前夜のハンガリー・ブダペストに、サボーというレストランがオープンする。支配人兼オーナーはユダヤ人のラズロ・サボー。恋人イロナも経営のパートナーとして彼を支える。ふたりが店のオープンにあわせて雇い入れたのが、若いピアニストのアンドラーシュだった。イロナとアンドラーシュは互いに惹かれ合う。やがてアンドラーシュはイロナに「暗い日曜日」という曲を捧げ、ふたりは結ばれることになる。これはサボーも含めた三角関係の始まりでもあった。間もなく「暗い日曜日」は店を訪れたレコード会社の重役に認められて世界的な大ヒットとなる。3人の関係は幾度かの危機を乗り越えて危ういバランスを保っていくのだが・・・・
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世界中で愛されている名曲「暗い日曜日」。
けっこう引き込まれる、というか飲み込まれそうな心地の良さ。
この曲が有名なのは世界中でこの曲を聞きながら自殺した者が何百人といて、さらに作曲者本人も自殺したという事実。
自殺者のエンドレスで聞きたい気持ちはなんとなくわかってしまいます。
この曲は名曲というよりはやはりなんらかの思いがこめられた不思議な曲という感じがします。
この映画の印象はなんというか、綺麗な水彩画を見ている感じ。
綺麗なブタペストの町並みバックに生き生きと情熱的に生きる3人を上品に切り取った撮影には感服。
セリフ回しもきどっているかのようで鼻にかからない感じ。
役者の演技もごく自然で、プロの仕事だねぇ。
三人ともキャラが立っていて、ものすごく引き込まれます。
三人の不思議な関係も危うくて壊れそうなトコがいい。
ラストのシーンは「うーむ安っぽい」と思う人もいるかのしれないけど、中盤から伏線を引っ張ってきたこと、物語の良さ(ハードルの高さ)を考えると、けっこう無難な終わり方だったかもしれない。
ストーリーの大半がフィクションながら、ノンフィクションの部分(聞けばわかるこの曲の不思議さ)を上手く生かしている。
監督・脚本はドキュメンタリー出身のロルフ・シューベルなだけに、いい仕事したなぁ。
エリカ・マロジャーン(イロナ)の"艶"には完敗。
恥ずかしながら思わず見入ってました。でへへ。しかしそんな"艶"に見入っていたのも前半だけ。
後半からはイロナに注目というよりは、
サボーが心配で心配で。
ストーリーも急展開するので見逃せません。
久しぶりのとてもステキなヨーロッパ映画らしいヨーロッパ映画ですね。
ぜひご覧あれ。
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